デ部の活動日誌(あらまし編)
ネタ探し
有り難いことに、ブログに対する好反応を頂いたものの私は困っていた。他にネタを探そうにも、記憶に残る笑い話はシモネタしかないのだ。これはまずい。コンプライアンス遵守世界代表として、これはまずい。
焦燥の中、かつての縄張りFacebookにタネが落ちていないか探った。リア充らしき写真一枚も無いタイムラインを苦虫を噛み潰しながら遡上していく。すると『今月のデ部の活動について』という記録が残っていた。勝った。私は右手を強く握りしめた。
デ部
九州から関東に移っていた私には、関東内にも多くの仲間がいた。互いに就職後も酒を飲み、そして時折イベントを開き親睦を深める仲。特に私が主催するイベントが好評で、いつしか『デ部』という部活動扱いとなった。もちろん私が部長だ。かつての企画例を紹介してみよう。
・ビールに感謝!麒麟です(いい声)ツアー
→ キリンのビール工場でビールについて学んだ後、敷地内のレストランにてビール飲み放題BBQ。締めは早朝の築地。
・ビールに感謝!ブラジルの皆さん聞こえますか?ツアー
→ サントリーのビール工場でビールについて学んだ後、渋谷の名店トゥッカーノにてブラジリアンBBQ食べ放題。締めは早朝の築地。
・その質量は何のため?踏めよデブ、うどん打ちツアー
→ うどん作り体験を行い完食。その後酒盛り。締めは早朝の築地。
・家系三社詣?チキチキ味比べツアー
→ 一日で武蔵家を三店舗巡り、味比べするというシンプルな内容。
その他にも、競馬場やサッカースタジアムにて、ひたすらビールを飲むという遊びをした。共通するルールは、ビール以外の酒を手にしないこと。揚げ物メニューは全て注文。肉・脂成分のない料理を頼んだやつは破門。そして、いつか脂肪分として競りに出されようという願いを込めて、締めは築地場外だった。
新春企画
しばらくデ部の活動が滞っていた。そして、新年とは別の意味での春を迎える、けしからん部員もいた。いつもそうだ、ビジネスデブはすぐ先をいく。別にデブキャラの設定もイケますよ、と優位性を見せつけてすぐ先をいく。
デ部存続に喫緊の脅威を覚えた部長は、とびっきりの企画案を練り上げることを決意する。リア充の縄張りをギリギリ汚さないよう、ネットを舐めるように探した。逆をついてやろうと思った。
デブなのにサーフィン、
デブなのに乗馬、
デブなのに…、!!!
これだっ!と電撃が走った。
真木よう子に左手でビンタしてもらえたような気がした。
我ながら頭が回るもんだ、と陶酔していた。
脳は既に次の右手を待っていた。
いや、でも駄目っ、駄目だこれじゃあ。
そこら辺のF欄、陽キャがやっていることと大差がない。
俺たちはもっと教養のあるデブでいたい。
もう一度過去の企画案を見つめ直した。足りないものを探した。
見つける、見つけてやるぞ。執念だった。
あった。これだ!
しかも、立地的にも完璧だ!!
この閃き、天才かもしれない。
今なら、真木よう子のYシャツのボタンになれるかもと思った。
私は今にも弾けそうだった。
企画発表
デブは前置きを大事にする。いきなり答えを言ったりしない。
部員をチャット欄に集め、企画発表を行なうことにした。
お見苦しいが、(ノン)フィクションでお届けしよう。
※ まだまだデブが足りていない、慢心するなということで、
互いをガリと称しあっていたことを記しておく。
部長 『デ部の皆さん、ごきげんよう。
いかがおデブお過ごしでしょうか。』
部員A 「ガリの部長待っていました。」
部員B 「忘年会でも欠かさずビールを掲げております、
ナニよりビールを掲げています。」
部員C 「先日、焼き鳥を塩で食べてしまいました。
禊により、歯磨きにはオタフクソースを使っています。」
部員D 「5キロ増量しました。」
部長 『よかろう。それでは、ここに
新春デブ飲み2015の開催を高らかに宣言する。』
部員 「おおおおおおおおお」
部長 『題して、
ビールをぶち撒け!飛べないデブはただのデブツアー』
部員 「うおおおおおおおお」
部員 「????」
そしてこのタイミングで、企画書のPDFを配布した。読者の皆にも要点を伝えよう。企画案は次の通りだ。
① 朝一で東京駅に集合し、茨城の某所に向かう。
② セスナ機に搭乗し、スカイダイビング
③ スカイダイビング終了後に即刻、アサヒビール工場へ工場見学。
④ ビールに対する感動をもったまま、都内の某居酒屋へ
⑤ 遅くまで楽しみ、築地で解散
企画書を読むやいなや
部員A 「セスナとの組み合わせwwwww」
部員B 「空中で吐いた後、ビールで満タンにしましょう。」
部員C 「宙を飛んで、
いっそのことスペースデブリになっちゃいましょう。」
部員D 「たしかにスーパードライはまだでした。」
などなど気の利いたコメントで既に部長はご満悦であった。
次回予告
デブ特有の前置きで長くなってしまったため、一旦ここで区切ろう。
実は、あっけない事情で、スカイダイビングが催行中止となってしまう。
そこで切り替えた企画案のせいで、我々は地獄をみることになる。いやあれはただの地獄だった。
次回「デ部の活動日誌(座禅編)」。ごきげんよう。